分子標的薬の副作用(爪囲炎)
がんのため3つの分子標的薬を使ったのまネコです。今回は、分子標的薬の副作用は弱いんでない、と思われがちな分子標的薬の厄介な副作用について書きたいと思います。(この記事は、90秒で読めます。)
分子標的薬の副作用
抗がん剤に比べると、分子標的薬の副作用が弱いのは確かですが、倦怠感、発疹、皮膚の障害、爪の障害、下痢、吐き気などの症状は出ます。
人によって副作用の出方は違いますが、僕の場合は、基本的に倦怠感があり、イレッサでは上半身の湿疹、ジオトリフでは極度の下痢、タグリッソでは爪の障害に悩まされました。
厄介な副作用
1番厄介だったのは、タグリッソ(2016年6月~)による爪の障害です。
病名としては、爪囲炎(そういえん)と言うもので、細菌、真菌やウイルスによる感染症です。
しかし、分子標的薬の副作用の場合は、菌などによるものではなく、爪母細胞に薬が作用していると推測されていますが、原因は解明されていません。
爪囲炎の症状
強く発症した場所は、両足の第1趾(親指)の爪周りで、指先が腫れて濃が溜まる症状が出ました。
また、爪自体もどんどん薄くなって、割れたり皮膚から剝れそうになりました。
爪を拾って接着剤で付けたり、保護剤で固めて爪を維持しました。
風呂上がりに、コンタクトレンズの様に薄くなった爪の一部が無くなっている事に気付き、あたふたして探したこともありました。
爪囲炎の治療
皮膚が腫れて濃が溜まった場合は、液体窒素をかけて、壊死させます。
菌対策などの薬は効かないので、最も強い「デルモベート軟膏」の処方を受けました。
医者ができるのはこれだけで、後は自分で何とかするしかないのです。
減薬
副作用の強さによっては、薬の使用をやめたり、薬の量を減らす決断をしなければなりません。
減薬すると薬が効かなくなるかもと悩みつつ、僕は、主治医と相談し2019年8月に薬の量を半分(80mg→40mg)にしました。
幸い、薬の効果は弱まらず安心できました。
その後
減薬して間もなく3年が経ちますが、タグリッソによる爪の障害は、未だ完治していません。
分子標的薬の副作用にも侮れない副作用があるんです。