肺腺がん9年目の闘病記

アレルギーと減感作療法

 最近の話⑧に書いた通り、ABCP療法(免疫チェックポイント阻害薬と3剤の抗がん剤を掛け合わせた点滴)を受ける事になった、のまねこです。今回は、アレルギーの分類とABCP療法をする上でネックになったカルボプラチンでのアレルギー反応への対処法について書きたいと思います。(この記事は2分で読めます。)

アレルギーの型は4種
アレルギー反応は、4つの型に分類されています。
Ⅰ型
 異物が体内に入る事による反応で、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症、アナフィラキシーショックなどの症状が起きます。

Ⅱ型
 ウイルスや細菌、カビなどの抗原に対して作り出された抗体が、赤血球や白血球、血小板などの血液成分を破壊する事による反応で、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症などの症状が起きます。

Ⅲ型
 抗原や抗体が結合した塊である免疫複合体が、血液を循環して肺や腎臓などの特定部位の小血管に付着することで起きる炎症で、アレルギー性気管支炎、薬剤アレルギー、慢性関節リウマチなどの症状が出ます。

Ⅳ型
 抗体がTリンパ球に作用して免疫反応を調整する役割を持つリンフォカインが放出され、炎症反応が起きる反応で、アレルギー性接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、臓器移植の拒絶反応、薬剤アレルギーなどの症状が出ます。

人によってアレルギーの出方は違う
 簡単に言うと、アレルギー反応は、異物が入ってきたと過敏に感じた時に起きるもので、ほとんどがⅠ型の食物、花粉症、鼻炎です。

 症状が出るのは、人それぞれで出ない人もいます。
 また、花粉症、アレルギー性鼻炎については、減感作療法(げんかんさりょうほう)で改善すると言われています。
減感作療法とは
 アレルギーの発生に関連する少量の物質を、意図的に体内に投与して、徐々に量を増やして慣れさせて、アレルギー体質を改善する療法です。
 アレルギー体質の改善を促す根本的治療として有効であるとされ、取り入れている病院もあります。
カルボプラチンでのアレルギー反応
 アレルギーのⅢ、Ⅳ型にある薬剤アレルギーは、抗体製剤における過敏症と言われ、インフュージョンリアクション(IR)と呼ばれています。
 抗がん薬の過敏症としては、パクリタキセル、抗体製剤、白金製剤などが代表的で、カルボプラチンは白金製剤です。
 カルボプラチンにおいて一度過敏症が生じた場合の再投与は原則しませんが、減感作療法の効果を確認して、投与する場合もあります。
 1月4日の診察では、ABCP療法の前に減感作療法をすると言われました。
 白金製剤の過敏症は、投与6~8回目など治療に慣れてきた頃にに生じます。
実際に起きた過敏症
 7回目のカルボプチン点滴中(残り1/4)で

 気道攣縮(れんしゅく、痙攣) のどの軽い痛み(イガイガ)飴をもらう
 不穏状態 徐々に圧迫感が頸部から腹部に車付きの椅子を足で漕いでトイレに行く(便は出ない)
といった症状が出ました。
 何にせよ、現時点で効果に期待が持てる治療法は、ABCP療法しかないので、治療を受けられる事自体が大事ですね。