肺腺がん9年目の闘病記

脳腫瘍の摘出手術

 最近の話⑥に書いた脳腫瘍の摘出手術を9月22日に受けたのまネコです。今回は、摘出手術の手法、入院生活、抜鈎、術後の経過について書きたいと思います。(この記事は、長編ですが3分位で読めます。)
どんな腫瘍を摘出したか
 場所は、左大脳の後部で、空洞に水が溜まっている脳水疱です。

 大きさは直径約4㎝位で、後部に繊維質があり、頭蓋骨に近い場所です。
 はじめは、直径約2㎝でしたが、徐々に大きくなり周囲の脳細胞に影響が出る可能性があるので摘出する事にしました。
 入院は、摘出の2日前(9/20)、退院は9月30でした。

術法(全身麻酔)
 まず、頭蓋骨を露出するために頭皮を切ります。
 頭蓋骨をドリルやカッターで切除して脳が見えるようにします(麻酔で何をされているか分かりませんでしたが、見たくない状況ですね)。

 僕の場合、頭皮を12㎝、頭蓋骨を5.5×5.5㎝切除しました。
 腫瘍を摘出後、チタンの蓋で頭蓋骨を塞ぎ、固定します。
 チタンの蓋は、手術の度に作るのではなく、大きさや形の違う在庫から選びます。

 頭皮を切った部分は、ステイプラー(ホチキス)で縫合されていました。(ピンの数は22本)。

 手術は無事終わり、腫瘍は完全に摘出、ほかの脳にも影響は無かったと医者から説明がありました。

主治医は2人
 ややこしい話ですが、今回の手術では、最近の話⑥に書いた受診した脳神経外科医が執刀医なのですが、その外科医は自分の病院に手術室がありませんので、札幌市内では3つの病院と提携して手術をしています。

 名医なので、札幌以外の道内、道外でも手術を請け負っているそうです。
 手術後は、自分の病院に戻るので、検査や投薬の指示は提携先の担当医がすることになります
 つまり、執刀医と担当医、2人の主治医がいる状態です。
 ちなみに手術・入院の給付金請求の診断書は、担当医が書きました。

入院生活
 入院は、手術に向けた体の状態を検査するため、手術の2日前からでした。
 術後は、HCU(高度治療室)で一晩管理され、病棟に移動しました。

 通常、脳腫瘍の摘出手術では、ドレーン(管)を留置して、ドナレージ(血液、膿などの排液)をしますが、僕の場合はありませんでした。
 術後から5日間、抗生剤の点滴がありました。

 術後、2日で尿管のカテーテル(柔らかい細い管)が抜かれ、自分でトイレに行くようになりましたが、手術で炎症値が上がった事で、数メートル歩いただけで冷汗が出て、フラフラになる状態でした。
 日が経つにつれ、抗生剤の効果が出るので、徐々に体調は回復します。

 切った頭皮部分は、枕に当たると痛いので、痛み止めを点滴し、横になって寝ていました。

抜鈎(ばっこう)
 縫合した糸を抜くのは抜糸と言いますが、ステイプラーで縫合した金具を抜く事を抜鈎と言います。

 抜鈎にはコツがあって、真っ直ぐ抜けると然程痛くありませんが、斜めに抜けるとチクッとした痛みがあります。
 抜鈎は医者がします。

術後の経過
 この記事は、手術日から26日目に書きましたが、傷の部分は触るとまだ痛みがある状態で、最初は切った部分が盛り上がっていましたが、今は元に戻っている状態です。

 状態によって痛み止めを飲んでいました。

術後の受診
それぞれ
担当医(9/29)
 手術は完璧で「ぺったんこ」、病理体検査では、脳水疱に溜まっていた水にはがん細胞はない

通院先の主治医(10/5)
 当日撮影したMRI画像では、一回り小さくなっているもの、依然として空洞部分が残っている(担当医が「ぺったんこ」と言ったのと違う)

執刀医(10/14)
 7月と10月の画像見比べて、フレア(脳の腫れ)は引いている、空洞部の水は全部抜けたので、空洞には何もない状態、空洞は徐々に小さくなる、繊維質の部分の検査はまだ終わっていないが、中間報告ではがん細胞はない、手術は成功
といった内容でした。

 担当医が「ぺったんこ」と言ったのに画像では空洞が残っていたので、主治医と僕は「辻褄が合わない」と思いましたが、「ぺったんこ」の意味は、将来的な事を表していたんですかねぇ(=_=)?

最後に
 これまで脳腫瘍は、9年の間、いろんな場所に出来たり消えたりしていましたが、懸案の脳腫瘍もどきが無くなりそうなので、一安心です。