肺腺がん9年目の闘病記

転移性脳腫瘍

転移性脳腫瘍

 肺腺がん発覚時に腫瘍がリンパ節と脳に転移していたのまネコです。今回は、腫瘍の脳転移、腫瘍が脳内でどう生きているのか、脳転移腫瘍の対処法について書きたいと思います。(この記事は1分で読めます。)

腫瘍はどう転移するのか

 まず「転移」とはがん細胞が最初に発生した場所から、血管やリンパに入り込み、血液やリンパの流れに乗って別の臓器や器官に移動してその場で増える事を言います。

 また、周りの器官に直接広がっていくことを「浸潤(しんじゅん)」と言います。
 転移性脳腫瘍は、血液を通して転移します。

がん細胞 転移

 肺腺がんに多く、発覚時に転移している率は約60%、脳腫瘍全体の約20%と言われています。

基本的にがん細胞は脳に転移できない

 転移性脳腫瘍は、血管を通じて転移している事は解明されていますが、首から脳につながる血管には、関所(「血液脳関門」)があって、脳の血管と脳細胞の間での物質交換(移動、移行)が厳密に制限されています。

血液脳関門

 この関所を行き来できるのは、気体や輸送の役割を担当するアミノ酸やグルコースなどの物質と言われており、毒物、薬物やがん細胞は通過できない仕組みになっています。

 しかし実際は、多くの患者に脳転移が認められますよね。

 これまでの研究では、あるたんぱく質が物質交換を調整していると解明されているそうですが、未だ全容は解明されていないそうです。

転移したがん細胞は、どう生きているのか

 がん細胞が生きるために必要なものは、「糖」のみです。
 転移したがん細胞は、「糖」を得るため、正常な細胞に血管を作らせてます。

 こうした現象を「血管新生」と言いますが、主に怪我をした時に起きるもので、がん細胞が血管を作らせる事が出来る仕組みは、未だ解明されていないそうです。

糖分

 血管新生に効果がある抗がん剤(血管新生阻害剤)としては、「ベバシズマブ(アバスチン)」があります。

 この抗がん剤は、がん細胞に血管を作らせず兵糧攻めにする事で、死滅させる効果があり、転移性脳腫瘍の患者の多くにに使われています。
 僕も使いましたが、残念ながらあまり効果はありませんでした。

転移性脳腫瘍の治療は困難

 転移性脳腫瘍を治療する方法には手術、抗がん剤、放射線がありますが、どれも困難が伴います。

 手術は、腫瘍の位置によって治療の可否が左右されます。

 抗がん剤は、血液脳関門を通過する薬が限定されていおり、使用期間が限られています。

 放射線は、脳に照射出来る量が、一生で60Gy(グレイ)以下とされていますので限界があります。

転移性脳腫瘍 治療計画 医者

 転移性脳腫瘍の症状は変わりやすく、解明されていない点も多いので、先を見越してどう治療計画を立てるかは難しい問題です。